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都美セレクション グループ展 2022
眼差しに熱がこぼれる

​金田実生 高橋大輔 長谷川友香 丸山直文

2022.6.11(土)ー 7.1 (金)休室日:6/20
9:30〜17:30 *金曜日は9:30〜20:00
(入室は閉室の30分前まで)
東京都美術館 ギャラリーC
入場無料
主催:まなざしの熱、公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都美術館
助成:公益財団法人 朝日新聞文化財団
協力:ANOMALY, ShugoArts, XYZ collective

Exhibition

都美セレクション グループ展 2022

「眼差しに熱がこぼれる」

金田実生 高橋大輔 長谷川友香 丸山直文

2022.6.11(土)ー 7.1 (金)休室日:6/20

9:30〜17:30 *金曜日は9:30〜20:00(入室は閉室の30分前まで)

本企画は、絵画だけで構成された展覧会を見たい、というとてもシンプルな思いを出発点としています。現在では「絵画」と一言で言っても、キャンバスや紙に描かれたものだけを指すわけではありません。今回は、関連イベントである公開講座も含めて「眼差し」を一つの基点として考えたいと思います。

 

絵画を絵画たらしめているものとは何なのでしょうか。ひとつに、制作は誰かの為のものではないということが言えるかもしれません。内面の力や自発的な力をもって、自身の本来あるべき状態にすること、本質に迫ること、筆を握った時点で作家はそこに向かっているのだと思います。頭で思い描いた通りに画面にあらわれてこない。すぐには良い形に収まらない。そこからどうにかしようと、考えたり筆を動かしたりして欲しいイメージを探る。自分が今何をどう考えているのか、絵を描くことに没頭し目の前にある道を辿っていくことでわかろうとする。彼らが見つめた先にあるものを差し出したいと思います。

 

営まれる生活や社会の中であるべきものを追うことは、容易なことではありません。作家も私たちも同様に晒されているこの日々たちを「見ること」からはじめます。

(企画:金森千紘)

Exhiton

Artists

​金田実生 Mio Kaneda

1963年東京都生まれ。1988年多摩美術大学大学院修了。紙を支持体として油彩やドローイングを制作する。2005年文化庁新進芸術家国内研修員。主な展覧会に、「チバ・アート・ナウ'01 絵画の領域」佐倉市立美術館(2001)、第1回府中ビエンナーレ「ダブル・リアリティ―両義的な空間とイリュージョンの7人」府中市美術館(2002)、「自然のなかで」豊科近代美術館(2003)、「夏の蜃気楼 ―自然をうつしだす現代の作家たち―」群馬県立館林美術館(2005)、「アーティスト・ファイル2009―現代の作家たち」国立新美術館(2009)、「クインテット 五つ星の作家たち」損保ジャパン東郷青児美術(2014)、公開制作73「金田実生 青空と月」府中市美術館(2018)、「みつめる―見ることの不思議と向き合う作家たち―」群馬県立館林美術館(2019)、作品集「水の音が走る夕刻」(2018)を発表。

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「風向きの話」紙に油彩 127×98.3cm 2022 年 撮影:長塚秀人

Courtesy of ANOMALY

高橋大輔 Daisuke Takahashi

1980年埼玉県生まれ。画家。2005年東京造形大学造形学部美術学科絵画専攻卒業。一般的な油絵の概念を超えた厚塗りの絵画を手掛けることで知られる。作品はすべて油絵具を使用しており、また完成予想を設定しない、独自のメソッドで創作を進める。近年は西欧絵画などに限らず、日本の洋画、日本画、書へもアプローチした、多様な作品展開をみせている。近年の主な展覧会に「絵画の在りか」東京オぺラシティーアートギャラリー(2014)、「ペインティングの現在―4人の平面作品から―」川越市立美術館(2015)、「NEW VISION SAITAMA 5 迫り出す身体」埼玉県立近代美術館(2016)、「眠る絵画」URANO(2018)、「自画像」Art Center Ongoing (2018)「太田の美術vol.3 2020年のさざえ堂―現代の螺旋と100枚の絵」太田市美術館・図書館(2020)、「約束の凝集 vol.5 高橋大輔|RELAXIN'」gallery αM (2021)など。

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  「白昼夢 #3キャンバスに油彩 182×228cm 2019年 撮影:吉江淳Courtesy of ANOMALY

長谷川友香 Yuka Hasegawa

1981年三重県生まれ。2007年多摩美術大学大学院修了。東京都を中心に活動。作品には盗用や、模倣、サンプリングなどが連想されるが、ロココ時代の風俗画が一部切り取られた絵画に90年代ポップスターのグループ名をつけたり、誰もが知る映画を少し違った物語に書き換えることで様々な時代のサンプルを採取し組み合わせ既存のストーリーを時にユーモラスに、時に鋭い皮肉に変換する。本物と偽物との複雑な関係性の中に人間の営みの本質を表現している。主な展覧会に「FAKE2」LUCKY HAPPY STUDIO(2019)「Woman With a Pearl Earring 」The Steak House Doskoi(2020)、「FAKE3」2020 JUNE art fair(2020)、「POP UP"ARTIST RUNNING”#1 長谷川友香 “FAKE4" by XYZ collective」void+eaves(2020)「Boys,Girls and Cats」 XYZ collective(2021)

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「ネバーエンディングストーリー」キャンバスに油彩 直径22.5cm 2020年

Courtesy of XYZcollective

丸山直文 Naofumi Maruyama

1964年新潟県生まれ。東京都在住。水を含んだ綿布にアクリル絵具を染み込ませて描くステイニング技法を用いる。極めて理論的かつ誠実に、「絵画の内部にしか発生しない空間の可能性」の探究と実践によって制作を行う。2008年芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞。主な展覧会に「ラスコーと天気」シュウゴアーツ(2018)、「流」ウソンギャラリー(2017)、「GROUND2 絵画を語る-見方を語る」武蔵野美術大学美術館図書館 (2016)、「ニイガタ・クリエーション」(2014)「浮舟」豊田市美術館 (2011)、「透明な足」シュウゴアーツ(2010)、「丸山直文― 後ろの正面」目黒区美術館 (2008)、「ポートレート・セッション」広島市現代美術館(2007)、「秘すれば花」森美術館(2005)、「ハピネス:アートにみる幸福」森美術館(2003)、「台北ビエンナーレ」台北私立美術館(2002)、「MOTアニュアル」東京都現代美術館(1999)、「第8回インドトリエンナーレ」(1994)、佐谷画廊個展(1992) など。

「puddle in the woods 」 綿布にアクリル 227.3×181.8cm 2010 年

Copyright the artist, Courtesy of ShugoArts
Artists
Events

Events

公開講座 vol.1
​石川卓磨(美術家、美術批評)
「制作と時間をめぐって」

マレーやマイブリッジなどの連続写真は、未来派やマルセル・デュシャンなどをはじめとして、絵画芸術に大きな影響を与えたことがよく知られている——写真の登場以後、絵画は新しいメディアから影響を受けることで、イメージに新鮮さを与えてきた。一方、デイヴィッド・ホックニーによるポラロイド写真を組み合わせたコラージュ的作品は、セザンヌやキュビズムの絵画制作に基づいた写真のあり方を示している。では、未来派とホックニーの作品には具体的にどのような違いがあるだろうか。本レクチャーでは、このように絵画制作から導き出される時間、あるいは絵画から派生した他のメディアの制作-時間について考察していく。

日時:2022年6月12日(日)14:00ー16:00

会場:東京都美術館 スタジオ

定員:40名

申込フォーム:https://forms.gle/LxuPcxmcCwYuuS5L8

公開講座 vol.2
沢山遼(美術批評)
「緩衝地帯ーロシア、ウクライナ、アメリカ」

「緩衝地帯」という言葉がある。それは、大国のあいだにあり、異なる力が交差し、干渉ー緩衝する、境界としての場である。緩衝地帯は遍在する。かつて、緩衝国家ウクライナからアメリカに移動した作家たちは、ユーラシアと西欧、東と西を中継する役割を担った。たとえばジャクソン・ポロックの絵画は、ウクライナ出身の三人の画家、すなわちダヴィッド・ブルリューク、ジョン・グラハム、ジャネット・ソーベルのアメリカでの活動および彼らとの具体的交流に多くを負っている。そこから、ナショナリズムとインターナショナリズム、地方言語と普遍言語の交差について検討したい。

日時:2022年6月26日(日)14:00ー16:00

会場:東京都美術館 スタジオ

定員:40名 *こちら満席となりました*

申込フォーム:https://forms.gle/LxuPcxmcCwYuuS5L8
​手話通訳があります。

About

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​まなざしの熱
The Heat the Gaze
 

金田実生を中心に企画者として本郷かおる(グラフィックデザイナー/switch point)、金森千紘(アートマネージャー/infans.)が加わり結成。作家が何に向かい制作をしているのか、そして私たちはその表現に何を見ているのか。作品と対峙した時にある眼差しに重きを置きながら、深度を増すきっかけを広く作家と共に考えることを活動目的としている。

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